足関節内果骨折

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この記事では怪我をした瞬間の心情や状況、そこからこの困難に立ち向かうまでのプロセスについて言語化してみました。
大怪我をして心が折れてしまいそうな人、夢をあきらめてしまいそうな人に、似た境遇の人がここにもいて、そこから這い上がろうとしている人がいると、勇気を与えられたらと思います。

長い長いリーグ戦をようやく終え、多くの地域リーガーは今後の去就について考え始める時期。自分も例に漏れず来年度について考え始めていた。
昨年末は多くのセレクションに参加し、たくさんのチームからオファーをもらったがその中に目標であったJクラブからのオファーはなかった。だが一方で地域リーグではあるが魅力的なオファーもあり、大学の単位が残っていたが、大学をやめて今挑戦するという選択肢もあるのではとも考えた。だが長い人生、先を考えるとやはり大学は卒業はしておいたほうが良いし何よりJに挑戦するにあたって学ぶべきことや課題、そしてフィジカルを進化させたほうが近道ではないかと感じ、結局現在のチームに残留することに決めた。そして一年先送りにしての昨シーズン、数字は正直満足のいくものではなかったが内容面ではとても充実し、一年間成長できている実感はかなりあった、これなら戦える。ここからが勝負。2022年シーズンを終えもう来年は24歳、目標であった25歳までにJの舞台へ行くにはこの冬が勝負になる。そう感じていた矢先だった。

全ての公式戦を終えた一週間後のことだった。大学生との練習試合。公式戦を終えてから冬のトライアウトに向け、トレーニングの強度をかなりあげていたこともあり、身体がとにかく重かったのを覚えている。そしてずっと痛みを抱えていた足首の調子も今振り返ってみると明らかに調子も悪かった。気づいていながらも「今は休んでいる場合じゃない」と雑念を払い、試合に出場。前半40分ほどだったと思う。相手の足が少し自分の足首に触れその場で崩れ落ちた。ちょうど相手ベンチの前だったこともあり「シュミレーションだろ!」とかなりあおられてしまうほどの本当に軽い接触だった。が今までに感じたことのないくらいの痛みを感じ、悟ってしまった。

「あぁ終わった」

私はキャリアの中で多くのけがを経験してきたが明らかにこれは常軌を逸していた。この歳の長期離脱、セレクションや練習参加を控えるこの時期、状況を理解してからは痛みより絶望が自分を支配した。なんで今なんだよ、なんで俺ばっかり、あの時の心情、感覚は一生忘れられないと思う。抑えきれない焦り、違和感を無視して追い込みあげく怪我をしたことに対する後悔、同じ過ちを繰り返す自分に対する怒り、とにかく様々な感情が自分の中で巻き起こっていた。

そして次の日診察へ、レントゲン写真を見た瞬間、医師の話を聞くまでもなく理解した。
(あ、完全に折れてるわ)
診断結果は「足関節内果骨折」。足首の内くるぶしの骨折だった。本当に信じられなかったし、受け入れたくなかった。大きな病院への紹介状をもらい、診察へ行き、すぐに手術の日程などが決まった。歩いたり動いたりすることが全くできず最初は高熱も出たりとにかくしんどかった。が三日ほどで痛みや熱が落ち着くと、今度は不安や悩みが一気に押し寄せ、いろいろと考えた。今できることは何か、早く復帰するためにはどうしていくべきか、そこであることに気づいた。自分の思考を振り返ってみるとサッカーを続けるか、やめるかで悩むのではなく、プロになるために、この先どうしていくか、サッカー選手としての未来について考え悩んでいることに気づいた。正直やめるだけの要素に溢れていたとは思う。こんなことよくある話のうちの一つ、大多数の内の一人であっただけ、それらを踏まえてもなお、本心はサッカーで生きていきたがっていることを感じ、覚悟を決めた。

「絶対にこの期間で成長し少しでも早くプロになる」

この怪我もプロになるためのプロセスに過ぎない。目標に向かって「今」行動することだけを考えることにした。
なぜ自分ばかり、なぜ今なのかとつい思ってしまう。だがそんなことはない。思い返せばよく分かる。これは本当によくあることなのだと。自分のチームメイトや同期にも怪我や挫折で夢をあきらめる選手は多くいた。身内であってもそれなりにいるのだ。探せば腐るほどいる。自分はそのうちの一人なのだ。そこで諦めていくうちの一人になるのか、それとも歯を食いしばって前を向き、勇気をもって前進するのか、ここが分かれ目だと直感で感じた。自分を悲劇の主人公として演じてる余裕はない。プレーができなくてもできることはある。自分と向き合い感情を理解することができ、そこでようやく一歩踏み出すことができた。

正直自分の中で長らく疑問があった。こんなにも先行きが不透明なことを続ける必要があるのか、諦めがつく正当な理由があればやめてしまうのでは?サッカーをやめたほうが人生は安定するのでは?人並みの幸せを得られるのでは?周りが社会人として働く姿を目にして迷いや揺らぎがあった。でもこの怪我をきっかけに迷いはなくなった。「俺はこの道で生きていく」怪我をしてよかったとは思わないが改めて整理する時間をサッカーの神様が与えてくれたのだと思う。
応援してくれる人や自分のために。復帰までの長い期間で自分自身と向きあい、積み重ねていく。この経験をしていてよかったと笑い話にできるように。後悔しないためにも「いま」という瞬間に全力を尽くすこと。

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